機械バカ一代

機械モノおたくのたわごと。

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WIEN Technology Museum (超長編・・)

駅ねん
さて、BRNOを発ってWIENのSUDBAHNHOF駅に降り立ちました。

その日の夜、7時半のミラノ行き出発まで、約3時間をWIENで過ごします。
またまた街中を観光するつもりだった僕に・・妻の一言。

「ねぇ、博物館とか行って見なくていいの?」
「Technology Museumって、あるよ。」


Σ(- -ノ)ノ エェ!?・・・行く!!

と、いう訳で、行ってみました。

↓なかなかツボにはまった博物館です。

博物館
駅からタクシーに乗って約10分。 外から見るとこんな感じね。

3
入り口を入って、まず目についたのは、何やらヘンテコな機械・・・

説明を見ると「永久機関の実演」だって・・・
まぁ・・・確かにグルグル回ってますが・・・・・

永久機関という物の存在自体が、エネルギー保存の法則に反する事くらい
理系の人なら皆知ってる事実。
「完全な真空で、重力ゼロ」という場所以外で、物が動き続けるためには、
必ず何らかの抵抗に打ち勝つエネルギーを供給し続ける事が必要です。

よくよく説明を読んでみると・・・
「理論的には有り得ないこの機械が動き続けるために、どんな仕掛けがあるのか、
良く考えて見ましょう・・・」とか書いてある・・・・

・・・( ̄  ̄;) うーん・・なかなかマニアックだ。

↓色々な展示品たちね。

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真っ先に向かったのは最上階の乗り物コーナー。

1962年のType-11・・まぁ自動車を語る上では定番中の定番ですね。

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FIATではありません・・・

PUCHです。オーストリアの発動機(乗り物)メーカーPUCH社が、FIAT500をライセンス生産した、
Steyr-Puch 500Dです。

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後ろ姿は、こんな感じ。

ちょっと微妙に違うところがお茶目です。

↓2輪車関係の展示ね。

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まずは、Krottingerです。

2輪車史を語る上では、最も初期の2輪車と言われる、Werner Brothersの1897年型を、
WienのKrottingerが1900年にコピーした物です。

焼玉エンジンを自転車に搭載して、皮ベルト駆動のFF車です。

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こちらは珍しい、1927年のPUCH 250。

オーストリアの博物館ですから、当然自国の工業製品が展示されている訳で、
このPUCH 250は、2サイクル縦置きのクランクシャフト+ハンドチェンジの2速です。
1927年といえば、まだオーストリア・ハンガリー帝国の時代。
確かに、この時代のオーストリアは工業先進国でした。

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1938年のBargman-Hai.

当時の免許制度に合わせて、運転免許が必要ない100cc以下のクラスで発売された、
非常に珍しい車両です。

アルミの鋳造フレームや、ミッション一体の2サイクルエンジンなど、
当時としては非常に先進的な設計には驚かされます。

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自転車メーカーだったPUCH社は、1903年からモーターサイクルの生産を始めます、
その最初のモデル 5HP(5馬力)がこれです。

1903年といえば、上のKrottingerからまだ3年ほど。
そんな時代に730ccのVツイン、2速ミッションとチェーン駆動。
おまけに電気スパーク点火とは・・・超高性能な贅沢品だった事でしょう。

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1949年のPUCH 125 Factory GP bike です。

戦後いち早く再開された世界選手権ロードレースでは、
PUCH(オーストリア)やJAWA(チェコ)、MZ(東独)、CZ(チェコ)などが、
モンディアルやMVアグスタといったイタリア勢と激戦を繰り広げました。

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こちらも、その頃、1952年のEMC Puch 125です。

マン島TTでは7位に入っています。
JAWAがカーデンC効果を取り入れる前の話、2サイクル・ターンフローエンジンですが、
まだメガホン・マフラーの時代ですね。

そういえば、JAWAのカーデン(カデナ)さんは元々オーストリア人。
有名なドイツのV-1ミサイルに使われたパルス・ジェット・エンジンからのアイデア流用で、
いわゆるチューンドパイプ、(別名カデナ・パイプ)を発明した訳です。

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ROTAXのサイドカー・レーサー、通称ニーラーです。

1920年にドレスデンで設立されたROTAX-WERK AG社は、1943年にオーストリアへ移転します。
その後、現在まで高性能小型エンジン供給メーカーとして、
多種多様なエンジンを生産しています。

これは、1976年のサイドカーGPマシンですが、水冷2サイクルの2気筒エンジン。
はっきり言ってしまえば・・スズキT500のコピーです。
当時、スズキもヤマハも500ccGPマシンでは4気筒が当たり前。
カワサキやスズキの市販車でも3気筒になっていた時期ですから、

レースでは、パワー不足に泣いた事でしょう・・・

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同じくROTAXのGP500レーサー。

1973年の国内選手権優勝車らしいです。
一方、GPでは1973年といえばMVアグスタの活躍に翳りが見え始めた時期、
我が社がG・アゴスチーニの獲得に動き始め、P・リードがMVでチャンピオンを決めた年です。

・・・( ̄  ̄;) うーん・・オーストリアという国を背負うには、
これじゃぁ・・ちょっと役不足でしたねぇ。。

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こちらは、1973年のROTAX 125 GP・・・・

確かに、ザルツブルグリンクで行われたオーストリアGPでは8位に入っていますが・・
一周遅れ+参加台数は・・・10台。
つまりは、ブービー賞です。

まぁ、作りを見ると60年代からそのまま・・・っていう感じだしねぇ。

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これは、この博物館にある2輪車展示の中では最高の目玉、

1954年のLohner Roller L-125です。

僕ですら、実車を見るのはこれが始めて。

Heinkelなどと並ぶ、ドイツ文化圏の典型的なスクーターで、

メッサーシュミットやイセッタなどと同様に、
敗戦後のドイツ文化圏の復興を象徴する乗り物ですが、
元々、生産台数が少ない上に、存在自体が地味過ぎるのか・・
今では旧車市場でもまず見かける事はありません。

対して、戦勝国であるイタリアのスクーターは、派手で目立つ存在ですよね。
イタリア系スクーターの代表Vespaとの対比展示は気が利いてます。

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こちらは、PUCHの代表作、Moped MS50

ごく一般的なペダル付きモペットです。

戦後のPUCH社は、一貫して小型車両やモペットを生産、
中でも有名なのは、小型軽量な全輪駆動車、Puch Haflingerです。

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そういえば・・・かのニキ・ラウダさんもオーストリア人でした。

これは、彼がF1デビュー前に乗っていた、というFormula-Vee.

フロントのトーションバーやエンジンなんかはVW-Type-1からの流用ですね。
なんか、最近はこういう安価なレース入門車が無いような気がしますね~~。

トヨタさんも、プリウスをベースにハイブリットFormulaでも作れば良いのに・・( ̄o ̄;)ボソッ

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こちらは、1888年のEgger Lohner, Elektromobile
1888年当時の電気自動車です。
車重1450kgで、航続距離は80km, 速度域は5km/h~35km/h

時代を100年以上先取りしていたのか・・・当時のエンジンの始動性が悪かったためか。
なかなか、評価としては微妙なところですね。

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自動車展示の中には、ホンダのF1エンジン・・なんていうのもありました。

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さて、乗り物展示は、待望の航空機コーナーへ・・

オーストリアと言えば、やはりこれ。

K.u.k Seeflugzeug Typ-K

1916年にオーストリア・ハンガリー帝国軍が第一次世界大戦で使用した
世界最初の実用飛行艇です。
映画「紅の豚」でも、ポルコが先の大戦で・・・と回想するシーンに登場します。

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この博物館の航空エンジン・コレクションは、1930年代までのエンジン・コレクションが豊富です。
軽量、高出力を目指した航空エンジンの歴史を語る上では
見逃せないエンジンを選んで展示しています。

この1914年のHiero Type-E, 145HPは、クロームバンディウムやニッケルを多用して、
11.9Lの直列6気筒から、1.48kg/PS, の出力重量比、
230g/PS/h という燃料消費率を達成しています。

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これは、初期の星型エンジン。

Siemens Sh-III 160HPです。

エンジン自体がプロペラと一緒に回転する、ロータリー星型エンジンから、
固定されたエンジンから軸を伸ばしてプロペラだけを回転させる、
固定型星型エンジンに移行した初期のエンジンです。

出力重量比は、1.24kg/PS, 燃料消費率270g/PS/hです。

ちなみに・・現在のMotoGPのエンジンの場合は、
0.25kg/PS, 210g/PS/hくらいですから・・・
出力重量比はともかく・・(回転数が違いすぎるしね。)
燃料消費率は充分に現在のレベルにあると言えますね・・

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こちらは、回転式星型エンジン(英語では、Rotary Radial engine)の代表格

1909 Gnome 50HP

1909年という航空エンジンの初期では高い性能を誇った名エンジンとして有名です。
なにが、そんなに有名なのかと言うと。。

排気
燃焼室のほとんどを占める、巨大な排気バルブ。
こちらは、ごく一般的に、カムとプッシュロッドで駆動されます。

吸気
問題は、こちら、ピストンのど真ん中に収まる吸気バルブ。

この位置でも、まだ閉まっているという事は膨張行程中・・という事ですが。
吸気は、クランクシャフトの後端に置かれたキャブレターから、
クランクケースの中を通って、ピストンから燃焼室に入る構造です。

・・・( ̄  ̄;) うーん・・当時のオイル消費量が、50g/PS/hと燃料並みだった事も納得です。

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そういう時代の水冷V型8気筒エンジン。

1908年のAntoinette 50HP

こちらは当時の一般的な排気サイドバルブ+吸気負圧自然開閉ですが、
重量出力比は、1.90kg/PSと、やはり重量的には星型には敵いませんね。

当時と言えば、たかだか50HPの出力で空を飛ぼう・・という時代ですから、
エンジン本体で1kgの軽量化が直接ペイ・ロードに影響したはず・・
先人たちの苦労が偲ばれます・・

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第一次世界大戦で初めて兵器として使われた航空機は、急速な進歩を遂げます。

こちらは1929年のHispano-Suiza 12MB 57C 500HPです。
V型12気筒、27.08Lの排気量から577馬力を搾り出します。
燃費率は、223g/PS/h, 418kgの重量は、0.75kg/PSと、
現代のエンジン並に発展しました。

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一方、前記のROTAX社は、超軽量動力飛行機用としては最も信頼性の高いエンジン、
ROTAX 912を生産しています。

排気量は1350ccの水平対向4気筒、装備重量は63.8Kgで、100馬力は、
0.64kg/PS , 燃費率は350g/PS/hと多目ですが、
離昇出力100馬力を 5800rpmという航空エンジンとしては異例に高い回転数で
発生する事を考慮すれば、そんなもん・・・ですかね。

ちなみに、この912は、GA(General Aviation)用のエンジンとして、
TBO(Total before overhaul) 時間、1500hourで承認を取得しています。

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こちらは、第一次世界大戦当時の航空エンジンでは一番美しい・・と勝手に思っている、

1914年のAustro-Daimler V12 250HPです。

かのFerdinand Porsche博士の若い時の作品です。
重量は460kgで、排気量は30.1L

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オーストリアといえば、やはりオットー・リリエンタール。

ライト兄弟が動力飛行を実現したのは1903年ですが、
それに先立つ1894年、グライダーでの滑空に成功しています。

これは、その2号機
結局、その後の動力機実験中に墜落、脊椎を骨折して死んでしまうわけですが、
リリエンタールが残した翼型の揚力実験データを元にライト兄弟が飛行機を作ったのは有名な話。

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さ~~て、乗り物関係の展示を過ぎると、情報処理や家庭電化製品の歴史・・などなど。

ところで、この有名なビクター犬は、飼い主の姿が見えないのに声だけするので、
あれれ?・・とスピーカーの中を覗き込んでいる・・姿だった。

って、知ってた?

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そして、やっぱりコイツも博物館級の品でしたか・・・

Commodore PET 2001

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こちらも名機。

Apple II

このApple II は、当時マシン語で書いたプログラムで、
画面に本物のインベーダー・ゲームを表示させられる唯一のパソコンでした。
確か、当時の価格で50万円ほど・・・上のPETは20万円くらいでした。
小学生には、当然・・手が届く訳もなく、ただ憧れるばかり。。

でも、秋葉原に行くと・・Orange II っていう名前の基盤キットが5万円くらいで売ってました。

それでも買えなかったけど・・・・・( ̄o ̄;)ボソッ

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情報処理コーナーの目玉・・と言えば

エニグマ暗号機

超有名なナチスドイツの暗号機です。
映画U-571で、必死になって奪い取ったアレです。

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ナショナルのテレビ。

そういえば、こんな未来的なデザインに憧れました・・・(笑)

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こちらも、日本製品の代表!!

サンヨーのトランジスター・8

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こちらは、Hooverのポータブル掃除機。
なんとなく、このデザインが好きなんですよ・・・・(⌒~⌒)ニンマリ

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これは、Electrolux の730ですが・・・
わざわざ、ここに掲載した理由は・・・

これ、小学生の頃に、お袋が買ってきた。。
新しい物好きで、セールスマンに勧められると、その気になってしまう母。
当時、日本では20万円くらいしたんじゃないかな・・・(たかが掃除機に・・)
今でも覚えている、その時の母のコメント。

「だって~~これ、絨毯も洗えるの・・」

父は「あ・・そう、新しい掃除機買ったの?・・ふ~~ん。」
と言っていましたが・・・絶対に値段は知らなかったと思う。。。

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なぜか・・・展示にサンヨーの製品が多かった。

初期の輸出用炊飯器。

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家庭電化製品の中で、特異な光を放つ・・・

PARILLA Formula Iron.
以前「MVの事」で紹介した気がするんですが・・・

ガソリンを手押しポンプで加圧、スパークプラグで点火して燃焼・・
その熱で・・・シュー ○Oo。丘ヾ(゜▽゜*) アイロン

欲しい・・・欲し過ぎ・・

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一番下の階は、大物の展示です。

えっと・・・やえもん機関車。

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こっちは、弁慶号・・

蛍光探傷検査してました・・・・・
まさか・・とは思うんだけど。。走らせるつもりなのかなぁ・・

でなきゃ、蛍光探傷なんかする訳ないか。。。

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振り子シリンダー式、蒸気機関。。。

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こちらは、二段膨張型・・

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そして、三段膨張ね・・・造りが美しいです。

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蒸気機関の鍛造プレス・・・でか!!

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そのプレス・ヘッド。。。

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最後は、博物館の出口に置いてあった・・・

超強制息子引っ張り機・・・

見習わなくては・・・・・( ̄o ̄;)ボソッ
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この記事のコメント

マニアックで面白い!

BRNOが長いな~と思えば、一人ではなかったのですね~~
こちらは熱々の南フランスでした。もう溶けそうでしたよ。。。。
2009-08-24 Mon 19:15 | URL | marque [ 編集]
>Marqueさん。

実は、今日からまたIndianapolisです。
来週の火曜日にはイタリアへ帰りますが、その足でまたまたMisano・・
と、相変わらず忙しい日々が続きます。

でも、ARCOREの新居は少し片付いてきたので、
Misanoから戻ったら夕食会やりましょう~~♪
2009-08-26 Wed 15:36 | URL | 管理人 [ 編集]
忙しいですね~
US編楽しみにしています。。。
2009-08-26 Wed 16:23 | URL | marque [ 編集]

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